参考 ― 絵の具の特性と着色比較

 

参考 ― 絵の具の特性・比較

 

こちらでは絵の具それぞれの特徴
の解説を簡単にしたいと思います。

ここで解説する絵の具は、
透明水彩絵の具(ホルベイン社製)
アクリルガッシュ(ターナー社製)
ニッカーポスターカラー
(ニッカー社製)

の3種類になります。

 

透明水彩絵の具(ホルベイン社製)

 

左:アクリルガッシュ(ターナー社製)
右:ニッカー
ポスターカラー
(ニッカー社製)

 

各水彩絵の具にはどのような特徴の
違いがあるか気になりますよね。。

今後皆さんが水彩画を描かれていく中で
透明水彩絵の具と不透明水彩絵の具の
特性で悩まれる場合もあるかと
思いますので、それぞれの絵の具の
性質やおすすめな描き方を
解説したいと思います。

ぜひこれからの絵画制作の参考に、
ご自身が今後描きたい画風
最適な絵の具を揃えていきましょう。

※ 絵の具の成分の解説ではなく、
実践で役立つ着色の比較の
解説になります

 

【 色合いの比較 】

※クレスター水彩紙使用

 

一見すると三色での比較ではあまり
違いがないように見えますが、
水分をより多めに溶いて着色すると
違いが顕著に現れます。

特に薄めの着色で存在感を発揮する
のが透明水彩絵の具ですね。
にじみやぼかしなどの技法で美しい
濃淡が表現されます。
風景画や静物画などの淡い仕上がり
の作品によく使用されます。

アクリルガッシュは逆に濃い目に
着色することでマットな均一の
描写が可能になります。
風景画はもちろん、細かい描写にも
向いている不透明水彩、耐水性です。

ポスターカラーも同様にマットな
描写に優れ、ムラのない表現に適して
いる画材で色の伸びがいいですね。
こちらも風景画や静物画、人物画
など広く使用できる絵の具です。

 

【 重ね塗りの比較 】

 

最後に、
乾燥後に水筆で一部分を
ぼかした比較画像です。
これは作品の仕上げ後に修正などで
加筆したい場合の水溶性と耐水性の
違いの参考比較になります。
(下側をにじませました)

 

いかがでしょうか。透明水彩絵の具と
ニッカーポスターカラーは
水溶性のため容易に水でぼかすことが
可能です。はみ出した線や色を修正
しやすいと言えるでしょう。

アクリルガッシュは耐水性のため、
水でぼかすことはできません。
加筆する場合は上から塗り重ねる形
になります。

ニッカーポスターカラーは水溶性で、
かつ
塗り重ねもできる不透明水彩に
なります。
両方の特性を持っている絵の具で、
修正もしやすく、下地を隠す重ね塗り
も容易で使いやすい絵の具ですね。
㊟ メーカーによっては不透明水彩
ではないポスターカラーもあり
ますのでご注意ください

 

以上で簡単ですがそれぞれの
絵の具の特性、そしてよく使用される
作品のジャンルをご紹介しました。

今後の皆さんの絵画制作の参考に
していただけたら幸いです。

        画家・たくみ