みちのくの伝統工芸品として有名な南部鉄瓶を描いてみよう! 鉛筆画の描き方をポイント解説!
こんにちは、たくみです!
今回は伝統的な工芸品である
南部鉄瓶(てつびん)を鉛筆で
表現してみましょう。
(展示用の巨大鉄瓶です)
夏に岩手へ旅行されたことのある方は
ご存知かも知れませんが、真夏の
岩手はかなりの暑さになります(汗
それでも新幹線など鉄道を利用して
夏に水沢市へ訪れた方は
駅のホームへ降りた瞬間に涼しい
歓迎を受けることでしょう。
チリン、チリリ~ン、
リ~~ン!♬
そうなんです、
ずらりと吊り下げられた南部風鈴の
涼しげな音色が訪れる方々の
旅の疲れを一気に癒してくれるんです!
6月から8月までのサービスなのですが、
僕も何度かその光景に遭遇しました。
大人も子供もみんな笑顔で音色に
耳を傾けていましたよ~ ^^♪
本当に素敵なおもてなしですね。
岩手でそうした鉄で作られた鋳物の
製品を南部鉄器と呼びますが、
さてその南部鉄器、実は盛岡や水沢が
主な発祥の地となっています。
水沢では平安時代後期に
あの奥州藤原氏の庇護の下、
鋳物の製造が盛んでした。
盛岡は江戸時代初期から盛岡藩(南部氏)
の庇護を受け鋳造が奨励されたのです。
現在では実用的な調理器具として
需要が高まり国内はおろか
海外からの評価も高まる一方ですが、
その芸術的なデザインも
大変な人気になっているようです。
それでは今回は味わいある伝統工芸品、
展示用の巨大南部鉄瓶の描き方を
解説したいと思います!
中級編としてポイント解説をして
いきたいと思いますので、鉛筆で
静物を写実的に描きたいという方や
鉄瓶が好きな方などぜひ参考に
していただけたら嬉しいです。
・・中級編とは・・
⇩
そして完成までのフル解説ですが、
・中級編では、
・・すでに完成したお題を、いくつかの
ポイントに分けながら解説
していくスタイル となります
【 準備するもの 】
【 準備するもの 】
画像にあるケント紙(B5~A4)
参考:ケント紙(A4)
色鉛筆(メーカーは自由です)
参考:プリズマカラー
下書き用の鉛筆、ペン型消しゴム、
そして定着剤(フィキサチーフ)も
あると保存に便利です。
☆ フィキサチーフ 使用方法
※ 作品の汚れ防止としてチラシやコピー
用紙などを手の下に敷いて描きます
それでは
準備のできた方から始めましょう!
【 解説の概要図 】
※ 雫石町の手づくり村に展示されている
巨大な南部鉄瓶を元に描きました
(実寸は高さ150cm、重量350kg、
容量380ℓというビッグサイズ!)
ついて解説していきましょう!
A 弦(つる)の表現
ちなみに南部鉄瓶には表側と裏側があり、
表側が今回のような構図なんです。
注ぎ口が向かって右になるのが表で、
左になるのが裏。
絵柄の模様のある鉄瓶は表が華やかな
デザインですね。
< 弦 >
弦(つる)は大きな曲線なので難しい
部分ですが、ゆっくりと下書きしながら
輪郭を描いていきます。
金属の光沢は画像のように濃淡と
塗り残しで描写します。
次に打ち抜いてある模様を描き、
反対側の形状と陰も表現しましょう。
なお、弦の陰影以外の着色は下記の
講座で解説している描写方法でも
きれいに仕上げることができますので、
ぜひ参考にしてくださいね。
⇩
「鉛筆で背景や肌をきれいに着色!」は こちら
B 蓋(ふた)の表現
< ツマミ >
蓋(ふた)に付いているツマミは少し
複雑な形状ですが、丁寧に下書きして
から陰影を表現しましょう。
< 蓋 >
特注の巨大鉄瓶なだけあって、
蓋の形状も凝っていて立派です。
凹凸のある形状ですが、立体感が出る
ように陰影を丁寧に着色します。
弦との接合部もがっしりした作りです。
画像を参考に描写しましょう。
C 注ぎ口の表現
< 注ぎ口 >
鉄瓶のシルエットを決める重要な部位
ですが、ゆっくりと丁寧に曲線を描き、
Aの弦を着色したように陰影以外も綿棒で
なでるように着色していきましょう。
D 文様の表現
< 文様 >
南部鉄瓶の特徴でもあるアラレ文様
(模様)
ですが、画像のように規則的に
円形を描き、下側へ影を描写します。
鉄瓶本体は円柱であり円錐でもあるため、
文様の大きさが上下左右で
微妙に異なっていきますので、
全体のバランスを見ながら表現
していきましょう。
E 底部の表現
底部は画像のように複雑な立体構造
になっています。
とはいえ、一番下になるアラレ文様が
中途半端にならないように注意して
縁を表現し、陰影を丁寧に
仕上げましょう。
以上で南部鉄瓶の鉛筆画の完成です!
いかがでしたでしょうか。
重厚感のある味わい深い鉄瓶に
仕上がったでしょうか。
最近は様々な形状、絵柄、色彩の
鉄瓶が発売されており、海外からも
需要が高く、若い年齢層にも
実用面はもちろんのこと、
お部屋のインテリアとしても
人気の伝統工芸品となっています。
今後もこうした伝統的な工芸品、
美術工芸品などもお題にする機会が
あれば、と思います。
今回のポイント解説が少しでも
参考になっていただけたら幸いです。